日本ハンセン病学会雑誌
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ハンセン病における眼後遺症
近藤 晶子
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2004 年 73 巻 1 号 p. 23-35

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抄録

ハンセン病はさまざまな眼病変を引き起こすが、その後遺症となる眼疾患も頻度が高く多様である。Primary impairmentはらい菌による神経や眼組織への直接浸潤の結果起こる障害であり、secondary impairmentは神経麻痺と遷延する炎症から派生する合併症である。現在の日本の療養所においてはこれらの後遺症の管理が主体となっている。
療養所入所者の定期健康診断の中で臨床眼科検査を行い、後遺症とその罹患状況を調べた。その結果、既存のハンセン病後遺症に加え、加齢による眼疾患の増加が見られた。さらにハンセン病特有の複合した知覚障害や身体障害は検査や治療を難しくしている。これらの問題解決のためには、機器の改良や新しい医療技術の適用を受けて、進行する視覚障害を最小限にとどめられるよう求められていると考える。

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