日本ハンセン病学会雑誌
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草津湯の沢ハンセン病自由療養地の研究IV―栗生楽泉園と湯の沢の人々―
森 修一加藤 三郎横山 秀夫田中 梅吉兼田 繁
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2004 年 73 巻 1 号 p. 47-63

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抄録

本研究は戦前、日本に唯一存在したハンセン病患者の自由療養地である群馬県吾妻郡草津町湯の沢部落の社会科学的分析の中から、何がハンセン病患者の隔離の二つの側面である「迫害されている患者の社会の圧力からの保護」と「感染源である患者からの社会の防衛」のダイナミズムを後者への優位に導いていったのかを明らかにすることを目的とするものである。その過程は湯の沢部落の実態の解明(「草津湯の沢ハンセン病自由療養地の研究I、II」)、自由療養地議論の展開と消滅の過程の検証と湯の沢部落の関わり(「草津湯の沢ハンセン病自由療養地の研究III」)、湯の沢部落消滅後にその精神が日本の隔離政策に与えた影響(「草津湯の沢ハンセン病自由療養地の研究IV」)などの研究の総体である。
本稿では戦後、栗生楽泉園から始まる患者運動を通して、湯の沢で培われた精神は楽泉園内でも生き続け、患者運動の戦端を開き、「特別病室」を廃止、職員の不正を暴き、やがて多磨全生園と共闘し、「全国癩療養所患者協議会」を生み、絶対隔離政策と対峙する力を形成する様相を描いた。併せて、「特別病室」設置の背景、戦中を中心としての療養所内の混乱の様相とその要因を述べた。

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