日本ハンセン病学会雑誌
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皮膚スメア検査のアンケート調査結果
石井 則久鈴木 幸一竹崎 伸一郎永岡 譲
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2007 年 76 巻 3 号 p. 227-232

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抄録

今回、ハンセン病検査のひとつである皮膚スメア検査の現状を知るためにアンケート調査を行った。
皮膚科医院 (クリニック)、病院・大学病院の各皮膚科、ハンセン病関連施設の合計43施設を対象とし、40施設 (93.0%) から回答を得た。皮膚スメア検査は殆どの施設で実施していた。しかし、マーカー付きスライドグラスの他に通常のスライドグラスを用いる施設があった。臨床検査技師が Ziehl-Neelsen 染色ないしその変法の染色を実施していた。蛍光染色を実施している施設もあったが、少数であった。検鏡は主治医と臨床検査技師の両者が行う場合が多かったが、ハンセン病関連施設では臨床検査技師のみの場合も半数以上認められた。検査項目は殆どの施設で菌指数を実施していたが、菌の有無のみの検討も5施設あった。
皮膚スメア検査は簡便であるが、手技、使用プレパラート、染色法、検鏡などで精度が異なる。今後、マーカー付きのスライドグラスの供給、染色法の普及、検鏡の技術向上が求められる。

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