高次脳機能研究 (旧 失語症研究)
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音韻失読では仮名非語の音読だけが選択的に障害されるのか?
加藤 あすか伏見 貴夫新貝 尚子辰巳 格山本 満
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26 巻 (2006) 2 号 p. 189-199

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抄録

日本語話者における音韻失読は,仮名非語の音読に選択的な障害であると言われることが多い。本研究では,音韻失読と思われる1 症例に対して,(1)仮名非語,漢字非語の音読,(2)文字を用いない音韻課題,(3)語彙判断,(4)意味理解など音読以外の課題についても精査を行い,その障害基盤について考察した。精査の結果,(1)では仮名非語のみならず漢字非語の音読成績も著明に低下していた。仮名非語の音読では同音擬似語効果が認められた。(2)では拍削除,逆唱課題で成績低下が著明であった。また,(3)語彙判断課題では,非語が単語に類似している条件で音声提示に比べ仮名提示の成績が低下する傾向があり,(4)意味理解課題では,音声提示,漢字提示条件に比べて仮名提示条件で有意な成績低下が認められた。以上の結果から,音韻失読を仮名非語音読の選択的な障害として説明できないことが示された。本例の症状は,二重経路モデルにおける音素システムの障害,トライアングル·モデルにおける音韻層の障害としての解釈が妥当であると考えられた。

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© 2006 一般社団法人 日本高次脳機能障害学会
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