高次脳機能研究 (旧 失語症研究)
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教育講演
失語のベスト・プラクティス提言: 国際失語連合からの報告
吉野 眞理子
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2016 年 36 巻 2 号 p. 191-198

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抄録

  国際失語連合 (Aphasia United: AU) , 失語のベスト・プラクティス提言 (Aphasia United Best Practice Recommendations for Aphasia: BPR) 作成過程, その日本語訳作成と日本における動きについて報告した。AU は2012 年に設立された失語当事者・研究者・臨床家を結びつける国際的組織である。その目的は, (1) 当事者組織に能力をつけること, (2) 失語のベスト・プラクティスについてコンセンサスを確立すること, (3) 失語についての認知度を高めること, そして(4) 国際的研究計画を立てることである。失語のある人々のためのリハビリテーションのあり方を提言する BPR は, 現存の文献やガイドラインをもとに専門家によるパネル, オンライン・サーベイを経て国際的コンセンサスが確立された。BPR 日本語訳および失語のある人々にもわかりやすいバージョンも作成され, 来年には第1 回国際会議が開催されようとしている。

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© 2016 一般社団法人 日本高次脳機能障害学会
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