2021 年 41 巻 3 号 p. 306-310
もやもや病は厚生労働省の定める指定難病であり, わが国における若年者脳卒中の原因として上位を占める。京都大学医学部附属病院では, 2016 年にもやもや病支援センターを設置し, 筆者らは特に小児もやもや病患者の高次脳機能評価およびリハビリテーションや復学支援を積極的に実施している。小児では標準化された神経心理学的検査が成人と比較して少ないことから, 小児もやもや病患者の高次脳機能障害の特徴は明らかになっていない。本稿では, 当院の小児もやもや病患者の高次脳機能の特徴に関する予備的研究および事例を紹介し, 臨床適用の提言をする。