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人間生活文化研究
Vol. 2017 (2017) No. 27 p. 140-145

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http://doi.org/10.9748/hcs.2017.140

短報

近年,肥満の増加に伴い,併発する頻度の高い非アルコール性脂肪肝(NAFLD)が着目されている.日本でのNAFLD有病率は約30%と報告されており,今後さらに増加していくと予測されている.分岐鎖アミノ酸(BCAA)は以前より骨格筋合成促進作用があるとされサプリメント等で使用されてきたが,近年脂肪蓄積抑制作用があると報告されている.そこで,食餌性肥満モデルマウスにおけるBCAAの肝臓脂質蓄積への影響について検討を行った.飼料はAIN-93G組成を基本とし,20%カゼインをコントロール(CO群), BCAA(12%ロイシン,5%バリン)を強化した群(LV群)とした.また,脂肪エネルギー比が50%となるようラードを添加し,5週齢雄のC57BL/6Jマウスに12週間給餌した.その結果,肝臓トリグリセリド蓄積量がコントロールと比較して有意に低下した.肝臓のmRNA発現を測定したところ,脂質合成系の転写調節因子であるステロール調節エレメント結合たんぱく質-1c(SREBP-1c)および脂肪酸合成酵素(FAS),および脂質分解系の転写調節因子であるペルオキシゾーム増殖剤応答性受容体α(PPARα)およびその下流のアシルCoA酸化酵素(ACOX),並びに炎症マーカーの発現に有意な差は見られなかった.しかし,酵素活性を測定した場合,CO群と比べてLV群でFAS活性について有意差は見られなかったが,ACOXではコントロールと比較してBCAA添加で有意に高値を示した.以上の結果より,ロイシンとバリンの添加によりACOXを活性化させβ酸化の活性を高めることで肝臓脂肪蓄積を抑制する可能性が示された.

Copyright © 2017 大妻女子大学人間生活文化研究所

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