2026 年 2026 巻 36 号 p. 114-123
Extracellular signal-regulated kinase 1/2(ERK1/2)は,細胞内シグナル伝達に関与する主要なキナーゼの一つであり,骨格筋の恒常性維持に重要な役割を担っている.本研究では,短時間の急性全身温熱刺激がマウス骨格筋におけるERK1/2活性化に及ぼす影響を検討した.11週齢の雄性C57BL/6Nマウスを対照群(n = 6)または温熱群(n = 6)に分け,温熱群のマウスを39 ± 1 °Cの環境下に30分間曝露した.曝露直後に麻酔下でヒラメ筋(酸化型)および足底筋(解糖型)を摘出し,ERK1/2のリン酸化レベルをウエスタンブロッティングにより解析した.その結果,両筋におけるERK1/2のリン酸化レベルは,温熱刺激群が対照群と比べて有意に高値を示した(p < 0.05).以上より,短時間の急性全身温熱刺激は,酸化型および解糖型の骨格筋双方においてERK1/2の活性化を誘導することが示唆された.