本稿は,1966年にイギリスから独立したガイアナにおいて,植民地期から現代に至る白人性(whiteness)の構築と変容を,少数者支配という植民地的条件の下で検討する.イギリス領時代のガイアナでは,白人が人口的少数派であったにもかかわらず,王室儀礼,社交クラブ,住居・服飾,婚姻規範,スポーツといった日常的実践を通じて,白人性が「文明」「秩序」「品位」と結びつけられ,支配の正統性が象徴的に再生産されてきた.本稿は,奴隷制廃止後の社会再編過程に焦点を当て,白人性が暴力や法制度に依存せず,文化的装置としていかに持続し,現代ガイアナ社会にまで影響を及ぼしているのかを明らかにする.