2017 年 6 巻 4 号 p. 162-165
症例は53歳女性。2012年発症した急性型成人T細胞白血病(ATL)にてモガムリズマブ投与後,部分寛解の状態で骨髄非破壊的臍帯血移植を実施した。Day 22に生着を確認したが,同時に移植片対宿主病(GVHD)が出現した。プレドニゾロンの投与開始後,サイトメガロウイルス脳炎を発症した。抗ウイルス剤投与も無効で,非完全ヒト型免疫グロブリン製剤を髄腔内投与した。一過性に症状の改善及び髄液ウイルス量の低下を認めた。同治療は一時的には有効であるものの,さらなる検討が必要である。