日本造血細胞移植学会雑誌
Online ISSN : 2186-5612
総説
造血細胞移植における移植関連合併症低減を目指して
加藤 剛二
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2018 年 7 巻 2 号 p. 40-48

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抄録

 造血細胞移植の成功を妨げる大きな要因として移植関連合併症死亡があり,移植後急性期の原因としては感染症,移植片対宿主病,および臓器障害に大別されるがとりわけ臓器障害としての肝中心静脈閉塞症や血栓性微小血管障害は重篤な合併症として認識されており,また血管内皮障害が共通した原因である。そのため当科では血栓形成を予防して血管内皮を保護する目的で移植の経過中抗Ⅹa/Ⅱa活性の高いdanaparoidを投与した結果,移植関連死亡率が有意に減少した。また晩期障害としての不妊に対しては移植前処置のbusulfanや高線量全身放射線照射を用いない,もしくは減量することで妊孕性を維持する可能性が示唆された。このように造血細胞移植施行時の支持療法の改良や移植前処置の検討によって移植後の短期的および晩期合併症の低減をめざす努力がなされるべきと考える。

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© 2018 一般社団法人 日本造血細胞移植学会
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