抄録
目的:Walking stroop carpet(WSC)と4 色ラダーを用いて二重課題(Dual task:DT)得意群と不得意群で群分けし,身体機能や睡眠,ワーキングメモリから若年成人のDT に関わる要因を検討した.方法:WSCと4 色ラダーにてDT 歩行を実施した.次に,身体機能検査とアンケート,ワーキングメモリの検査を無作為に測定した.結果:WSC は,不得意群では,立ち上がりテストが有意に低値を示し,立ち上がりテスト,Symbol Digit Modalities Test(SDMT)の間に有意に負の相関を認めた.4 色ラダーは,不得意群では,立ち上がりテストとTen Step Test(TST)が有意に低値を示し,立ち上がりテスト,SDMT の間に負の相関,TST の間に正の相関を認めた.結論:若年成人のDT にはTST とSDMT,立ち上がりテストが関係し,4色ラダーはWSC よりも敏捷性が影響する可能性が示唆された.