2013年4月からの高等学校学習指導要領「地理A」で防災という用語が登場することになった。これまでも筆者は勤務校の自然条件に応じて、水害や地震などの自然災害を扱ってきた。その反省から、防災教育は教室の内の授業だけでは不十分であり、家庭や地域社会など、教室の外における活動も重要であると感じている。また、防災ではなく、減災の観点を重視し、公助よりも共助、共助よりも自助の意識を醸成させることは重要であると考える。ここでは、勤務校が濃尾平野の西部に位置するという自然環境を考慮し、災害の跡地や防災関連施設に出向き災害を疑似体験させることを通して、正しい防災意識をもった市民を育成する防災教育の在り方を考える。