比較生理生化学
Online ISSN : 1881-9346
Print ISSN : 0916-3786
総説
昆虫のフェロモン受容と匂い識別の分子・神経基盤
櫻井 健志関 洋一西岡 孝明神崎 亮平
著者情報
ジャーナル フリー

23 巻 (2006) 2 号 p. 11-25

詳細
PDFをダウンロード (793K) 発行機関連絡先
抄録

昆虫は自然界に存在する様々な匂いを識別するとともに, 種特異的なフェロモンを鋭敏かつ特異的に検出することができる。このような嗅覚情報は触角上の嗅感覚子内にある嗅覚受容細胞上で発現する嗅覚受容体およびフェロモン受容体により受容される。触角で受容された情報は, 嗅覚系一次中枢である触角葉で処理され, 上位中枢である前大脳 (キノコ体, 前大脳側部) に伝達され, さらなる処理をうけ最終的に特定の行動を引き起こす。近年, 昆虫の嗅覚受容体および性フェロモン受容体の単離と解析から, 一般臭の受容, 識別機構やフェロモンの特異的かつ高感度な受容機構が受容体レベルでわかってきた。さらに, 嗅覚受容細胞からの情報が触角葉でコード化され, 前大脳でデコードされる機構も明らかになりつつある。昆虫の嗅覚情報の受容・識別機構を理解することは, 動物の神経系が複雑な外界の情報を処理し, 環境に適応した行動を起こす仕組みの理解につながるだろう。

著者関連情報
© 2006 日本比較生理生化学会
前の記事 次の記事

閲覧履歴
前身誌

動物生理

feedback
Top