2011 年 28 巻 4 号 p. 326-333
比較生理学生化学分野でも実験からデータ解析,論文執筆に至る研究活動を進めていく上でコンピュータおよびインターネットは必要不可欠なツールとなっている。論文をはじめとする様々な研究情報や日々の実験により得られるデータの管理,共有,活用を促進していくにはデータベースの利用が有効であり,研究室あるいは研究グループのレベルからインターネットによる研究情報の共有を目指すものまで数多くのシステムが開発,運用されている。我々は,神経細胞形態及び電気生理実験データに関するデータベース:BoND(Bombyx Neuron Database)を活用しカイコガにおけるフェロモン受容と行動制御に関する神経回路解析について研究を進めている。本稿では,比較生理学分野におけるデータベースの構築手法とそれらの活用方法の一例として神経細胞形態の標準脳へのレジストレーション技術を紹介する。