弘前医学
Online ISSN : 2434-4656
Print ISSN : 0439-1721
原著
Spontaneously Diabetic Torii (SDT) ラットにおけるセルレイン誘導急性浮腫性膵炎と Receptor for Advanced Glycation Endproducts (RAGE) の発現
佐藤 江里田村 綾女丹藤 雄介須田 俊宏中村 光男山岸 昌一
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2008 年 59 巻 2-4 号 p. 110-117

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抄録

 病歴の長い糖尿病患者において,アミラーゼ分泌の低下や膵萎縮・線維化を呈する症例があることが報告されている.しかしこのような病態の動物モデルは現在確立されていない.また,終末糖化産物 AGE,その受容体である RAGE は糖尿病血管合併症に関与しているとされているが,膵への影響は不明である.糖尿病における膵外分泌障害とその機序を明らかにするため,加齢により膵ラ氏島の線維化を生じる自然発症2型糖尿病モデル,Spontaneously Diabetic Torii (SDT) ラットに caerulein急性膵炎を発症させ,糖尿病の発症および程度,膵の線維化に変化を生じるか否か,同時に,RAGE の発現を RT-PCR により検討した.結果,膵炎による糖尿病発症および膵の線維化,糖尿病発症前後および膵炎の有無による RAGE の発現に変化は認めず,糖尿病ラットモデルにおける膵障害と RAGE の関連は明らかではなかった.

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© 2008 弘前医学編集委員会
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