目的:コラーゲントリペプチド (Ctp) 関節内投与による変形性膝関節症 (膝OA) 予防効果を,現在臨床応用されているヒアルロン酸 (HA) と比較した.
方法:日本白色家兎30匹を用い右膝関節前十字靱帯切離による OA発症モデルを作製.それらを生食,Ctp,HA投与群に分類し,週1回関節内投与を施行した.6匹を5週投与後,4匹を10週投与後屠殺し,大腿骨内側顆を用いて OA進行度を肉眼的,組織学的に評価した.
結果:肉眼的評価では10週投与時で Ctp 及び HA投与群で生食投与群に比し膝OA の進行は軽度であったが,統計学的有意差は認めなかった.組織学的評価でも3群間に有意差は認めなかったが,Ctp投与群では5週から10週にかけてスコアの改善を認めた.
考察:Ctp関節内投与による OA予防効果が示唆された.生理活性の詳細な検討と,治療に向けた至適な投与濃度及び投与期間の更なる検討が必要である.