弘前医学
Online ISSN : 2434-4656
Print ISSN : 0439-1721
原著
40歳より若い年代における動脈硬化に対する生活習慣の影響
岩間 孝暢檀上 和真松坂 方士 高橋 一平岩崎 宏貴渡邉 清誉大久保 礼由高橋 和幸梅田 孝中路 重之
著者情報
ジャーナル フリー

2012 年 63 巻 1 号 p. 55-65

詳細
抄録

 上腕-足首間脈波伝播速度 (baPWV) と動脈硬化関連因子との関連を弘前市岩木地区在住の一般住民において検討した.対象は平成17~21年に岩木健康増進プロジェクト・プロジェクト健診を受診した1,730名として,生活習慣,血液生化学検査,baPWV を測定した.対象者を男女および若年群,中年群,高齢群に区分し,baPWV を従属変数,動脈硬化関連因子を独立変数として重回帰分析を行った.その結果,若年男性群では baPWV と喫煙本数が有意に正の相関を示した.高齢男性群では baPWV と BMI が負の相関を示した.若年女性群では baPWV と空腹時血糖,中性脂肪が正の相関を示し,運動頻度が有意に負の相関を示した.中年および高齢女性群では,baPWV と BMI が負の相関を示した.以上より,若年群において男性では喫煙が動脈硬化の危険因子であり,女性では運動習慣が予防因子であることが明らかとなった.

著者関連情報
© 2012 弘前医学編集委員会
前の記事
feedback
Top