弘前医学
Online ISSN : 2434-4656
Print ISSN : 0439-1721
原著
小児バンコマイシン投与設計支援時に用いられる血中濃度予測系の正確度精度向上に関する検討
板垣 史郎工藤 正純新岡 丈典内山 道子金澤 佐知子細井 一広照井 一史小島 佳也保嶋 実早狩 誠
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2013 年 64 巻 1 号 p. 58-64

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抄録

 小児バンコマイシン (VCM) 投与設計支援時に散見される,血中濃度予測値と実測値のずれの原因を特定し,予測系の正確度精度向上を図った.VCM投与時に TDM が実施された16歳以下の患者のうち,クレアチニンクリアランス (CLcr) 値が推定可能であった25名を解析対象とした.初回VCM血中濃度ならびに VCMクリアランスを成人母集団パラメータ (A-PPK) および小児母集団パラメータ (P-PPK) を用いて予測し,実測値との差 (残差) を基に予測系の正確度精 度を評価した.また,初回VCM血中濃度について残差と患者背景因子との相関性を評価した.初回VCM血中濃度, VCMクリアランス共に A-PPK使用系の正確度精度が良好であった.A-PPK使用系の初回VCM血中濃度は年齢,体重, 体表面積と有意に相関しており,年齢に関するカットオフ値は6歳と推定された.小児において CLcr が推定できる場合 は, 6歳以上を目安に CLcr が組み込まれている A-PPK を用いることが推奨される.

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© 2013 弘前医学編集委員会
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