弘前医学
Online ISSN : 2434-4656
Print ISSN : 0439-1721
原著
健康実践教室が全身の健康度および好中球活性酸素種産生能に及ぼす影響
松田 基子高橋 一平 沢田 かほり大久保 礼由三宅 良輔平川 裕一上谷 英史戸塚 学梅田 孝中路 重之
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2014 年 64 巻 2-4 号 p. 127-135

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抄録

 近年,適度な運動が酸化ストレスを減少させることが報告されている.しかし,そのメカニズムについてはいまだ明らかにされていない.本研究では,酸化ストレスの原因となる好中球の活性酸素種 (ROS) 産生量に週1回, 6ヵ月間の健康実践教室(運動教室と栄養教室)が及ぼす影響について調査した.対象は,岩木健康増進プロジェクトの平成20年度健康実践教室に参加した29名である.この教室の前,中間,後に体組成測定,血液検査,好中球ROS産生を反映する血清オプソニン化活性を測定した.その結果,教室後に体脂肪率,血圧,総コレステロールの低下,HDLコレステロールの上昇がみられ,さらに血清オプソニン化活性も低下していた.すなわち,教室参加は肥満や生活習慣病関連項目を改善させるとともに,酸化ストレスの原因である好中球由来ROSを抑制した可能性が考えられた.

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© 2014 弘前医学編集委員会
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