2014 年 65 巻 1 号 p. 55-64
背景・目的: 在宅パーキンソン病患者 (PD) の生活場面における転倒などの問題と,効果的で持続可能な家庭での運動療法の実施状況について調査を行った.
方法:全国 PD友の会宮城県支部会員 159名に対し,症状や日常動作における主訴,転倒歴,介護保険の利用状況,運動療法の実施状況などの無記名式アンケート調査を郵送法で行った.
結果:アンケート回収率は 62.3%であった.転倒状況は,調査時点から過去 1ヶ月間で 38名 (44.2%) が転倒を経験しており,過去半年間では 52名 (60.5%) が経験していた.医療機関における運動療法の実施状況では,半数以上の52.3%が医療機関で運動療法を実施した経験が無く,現在も継続・実施しているのは全回答者の僅か 12.1%であった.また,医療機関以外でも定期的に運動療法を実施していない者が 33名 (38.4%) であった.
結語:活動量の現象による廃用による筋力低下を防止するため,定期的に遂行でき,効果的な在宅 PD に対するホームエクササイズを確立することが重要である.