弘前医学
Online ISSN : 2434-4656
Print ISSN : 0439-1721
原著
高齢者における示指と足部の3分間セルフペース・タッピング運動の特性
松嶋 美正 對馬 均
著者情報
ジャーナル フリー

2014 年 65 巻 2-4 号 p. 209-217

詳細
抄録

研究目的:本研究の目的は,手と足の3分間の持続的タッピング運動のばらつきに及ぼす加齢の影響について明らかにすることである.
対象と方法:若年者群20人と活動的高齢者群20人において,セルフペースで示指と足部のタッピング課題を3分間行った時の,それぞれの運動速度とタッピング間隔のばらつきが比較検討された.
結果:タッピング速度に加齢の影響は認められなかったが,タッピング間隔のばらつきには加齢による低下が認められた.両群とも,速度とばらつきの相関は認められなかった他,足部課題の速度は示指課題の速度より遅かった.示指課題と足部課題のばらつきの相関が高齢者群において認められた. 3分間の課題時間の後半で運動速度は延長するが,ばらつきの程度に変わりはなかった.
結語:セルフペースで行なう手足の単関節タッピング運動では,内部リズム形成機構の退行性変化を反映することが示唆された.また臨床的スクリーニングという点で運動速度やばらつきの変化を見極めるためには,1.5分間あれば十分と 思われる.

著者関連情報
© 2014 弘前医学編集委員会
前の記事 次の記事
feedback
Top