弘前医学
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弘前医学会抄録
〈一般演題抄録〉大動脈弁異所性石灰化のキーレギュレーター: マトリックスグラタンパク質
于 在強千代谷 真理大徳 和之瀬谷 和彦古川 賢一福田 幾夫
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2017 年 67 巻 2-4 号 p. 186-

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抄録

大動脈弁狭窄症 (AS) では、弁の異所性石灰化が重篤化に寄与する。我々は、最近腫瘍壊死因子-α(TNF-α)が、骨形成タンパク質2 (BMP2) の発現亢進を介して大動脈弁間質細胞 (HAVICs) の異所性石灰化を誘発することを明らかにした。一方マトリックスグラタンパク質 (MGP) は石灰化抑制因子として知られているが、TNF-α誘発性HAVICs 異所性石灰化における MGP の役割が不明であった。これを明らかにするため、MGP発現抑制及び過剰発現HAVICs を作成し、TNF-αによる異所性石灰化に与える影響について検討した。AS患者から単離した HAVICs の TNF-α誘発性異所性石灰化は MGP発現の著しい低下を誘発した。そこで、HAVICs に siRNA を導入して MGP発現を抑制すると TNF-α非共存にもかかわらず、BMP2発現を亢進し、自発的な異所性石灰化を誘発した。一方プロモーター領域に MGP遺伝子を組み込んだサイトメガロウイルスの導入により作成した MGP過剰発現HAVICs では、BMP2発現抑制と共に TNF-α誘発性異所性石灰化が著しく抑制された。以上の結果は、MGP が TNF-α誘発性異所性石灰化を調節していることを意味し、大動脈弁異所性石灰化のキーレギュレーターとして重要な役割を果たしている可能性を強く示唆した。

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