社会生活活動は習慣化した行動であり,身体および認知機能を使う活動であるため認知機能に影響を及ぼしてい る可能性がある.そこで本研究は社会生活活動である対人交流と生活時間に着目し,認知機能との関連を検討した. 2015年「岩木健康増進プロジェクト」に参加した563名を対象に,認知機能をMMSE で測定し,重回帰分析とグラフィカルモデリングで因子間の関連と影響構造の分析を行った.男性の50歳~64歳でMMSE と「スポーツ」「テレビ・ラジオ・新聞・雑誌」「休養・くつろぎ」が正の相関,65歳以上では関連がなかった.女性の50歳~64歳で「育児」が正の相関,「食事」「睡眠」が負の相関,65歳以上では「月に1 回以上会う家族・親戚」が正の相関を示した.男性では中年期からスポーツや余暇活動を積極的に行い,認知予備力を高めていく事が重要であり,女性は対人交流の機会を増やし,それらを介して心理的安寧や身体的活動性を高めていく事が重要と考えられた.