弘前医学
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症例研究
開心術後の創部痛を契機に発見された悪性リンパ腫の1 例
于 在強 劉 旭木村 大輔宋 成洋皆川 正仁大徳 和之福田 幾夫
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2020 年 71 巻 1 号 p. 79-83

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抄録

症例は67歳男性,急性大動脈解離に対して上行弓部大動脈人工血管置換術を行い周術期は問題なく退院していた. 4 年後,胸部正中創部に腫張を伴う疼痛が出現した.造影CT を行ったところ,正中創に相当した前縦隔に骨侵食像を 伴う膿瘍形成を認めた.術後遠隔期縦隔洞炎と考え,抗生物質を投与した上,膿瘍開放ドレナージを行う方針にした. 生検を行ったところ,病理診断で悪性リンパ腫の確定診断に至った.CT 所見上,縦隔洞炎との鑑別が難しかった症例 を経験したため,文献考察を加えて報告する.

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© 2020 弘前医学編集委員会
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