植生史研究
Online ISSN : 2435-9238
Print ISSN : 0915-003X
武蔵野台地東部の溜池遺跡における 過去6000 年間の植生変遷
吉川 昌伸
著者情報
ジャーナル オープンアクセス

1999 年 7 巻 2 号 p. 47-58

詳細
抄録
武蔵野台地東部の溜池遺跡において,花粉化石群を中心に植物化石群の研究結果をまとめ,Pollen influx を検討し,約6000 年前以降の武蔵野台地東部の植生変遷と人間活動について議論した。過去6000 年間に7 つの植生期が区分された。約6000年前以降には溺れ谷が形成され,コナラ亜属を主とする落葉広葉樹林が成立していた。約4000年前以降にクリ林が拡大し,低地では湿地林が形成された。約3200年前以降ではアカガシ亜属を主とする照葉樹林が形成され,約2600 年以降に生業活動による森林の減少が示唆された。弥生時代ないし古墳時代以降に森林は衰退し,約1000年前頃には疎林に変化した。それ以降に森林植生の回復がみられたが14世紀頃以降には再び疎林になり,マツ林が拡大した。近世の溜池は徐々に水質の悪化と埋積が進行し,溜池端は18 世紀初頭には生活ゴミにより急速に埋積された。
著者関連情報
© 1999 日本植生史学会

この記事はクリエイティブ・コモンズ [表示 - 非営利 - 継承 4.0 国際]ライセンスの下に提供されています。
https://creativecommons.org/licenses/by-nc-sa/4.0/deed.ja
次の記事
feedback
Top