抄録
本研究では、aunque によって導かれる譲歩節中で命令法が使用された構文について扱う。第一に統語的観点から、なぜこのような形式が可能となるのかという問題について考察し、当該の構文では主節に対する aunque 節の従属度が低下しているためであるという結論に至る。第二に意味・語用論的観点から、どのような発話意図によってこの形式が使用されるのかという点について扱い、先行する主節の発話に対する補足的情報として aunque 節を発話することで、主節の内容から聞き手がおこなうであろう推論を取り消す意図があり、さらに命令法による相手への行為要求を和らげる機能を有することを論じる。