2020 Volume 4 Issue 1 Pages 57-58
本ブロックでは,2019(令和元)年は,理事1名,北海道および東北の地区活動を推進するための各地区2名の委員で主な活動を行った.2019年度は,ブロック会議・研修会,各地区の活動,および全国の夏季研修会(東京)の運営を担当したので報告する.
活動方針として「社会情勢や保健師教育の動向を踏まえ,現状や課題を共有し,保健師教育の質の向上を 目指すための研修及び情報交換を行う」ことと「理事およびブロック委員を中心として,全国とブロック,各校間での情報の共有,活動の協力に努める」を掲げている.
1. ブロック会議および研修会2019年度のブロック会議および研修会の開催当番校を札幌市立大学が務め,8月23日(金)に北農健保会館で開催し,会員校27校47名,賛助会員校2名が参加した.協議として,事前にブロック内の会員校から回収されたアンケートをもとに,大学院・専攻科での保健師教育の動向,政策に関する講義・演習の実施状況,講義単位数の読み替え,新カリキュラムにおける実習,保健所インターンシップなどについて情報共有が行われた.
研修会は自治医科大学医学部総合教育部門の青山泰子先生より「保健師教育で身に着けてほしい基礎能力」というテーマでご講演いただいた.保健師マインドを育む基礎となる対人援助に関する教育プログラム,地域診断に取り組む視点の養い方,保健師による研究例について紹介された.また,青山先生が関わっている若手の「保健師の会」会員からのメッセージをもとに,保健師教育に求めるものとして,個別のケースのアセスメントなど現場ですぐに必要な実践的能力を充実してほしいことがあげられた.その後の情報交換会にも多数の出席が見られ,和やかな雰囲気の中で,交流と教育に関する意見交換が行われた.
2. 北海道地区の活動北海道地区は,年に3回の地区会議を開催し,保健師教育に関する課題の共有,研修,加入校同士の情報交換に努めている.第1回地区会議は,6月8日(土)に札幌市立大学で開催され,理事会報告と研修会を行った.研修会では,ラダー別(レベル1)研修に参加した会員校の教員から,研修で学んだ授業指導案の紹介などがあり教員相互の学習の機会として好評であった.
第2回地区会議は,12月14日(土)に札幌市立大学で開催された.また同日に,北海道保健師関係団体連絡会研修会と共催の研修がもたれ「子どもの貧困から考える“個”と“家族”を考えるネットワークづくり」のテーマのもとに,札幌市立大学の喜多歳子先生の講演,保健師からの事例紹介,グループワークが行われた.
第3回地区会議は,2020(令和2)年3月6日(金)に札幌市立大学で開催を予定していたが,新型コロナウィルスの流行によりメール会議に変更した.北海道庁担当者の参集による「公衆衛生看護学実習担当者会議」についても延期され,議題は次年度に持ち越された.
3. 東北地区の活動東北地区は年2回の会議および研修会を開催している.第1回会議を12月8日(日)に岩手保健医療大学にて開催し,理事会報告,秋季研修参加者からの新カリキュラムの動向や教育方法に関する情報提供がなされ,会員校による情報交換の時間に,活発な質疑が行われた.
第2回会議は,2020年2月16日(日)に開催し,全保教「保健師基礎教育検討委員会(特別プロジェクト)」委員の東北大学,大森純子先生から講演をいただいた.ブロックの活動方針の「社会情勢や保健師教育の動向を踏まえ,現状や課題を共有し,保健師教育の質の向上を目指す」ことと「全国とブロック(地区),各校間での情報の共有,活動の協力」を体現する機会になった.
4. 夏季研修への運営への参画夏季研修が8月19日(月)に国際医療福祉大学で開催された際には,北海道・東北ブロックの会員校教員が当日運営の任にあたり,多大な協力を得た.
北海道・東北ブロックでは,前年までの理事等の配慮により,理事,ブロック会議等開催当番校および地区活動担当校の,長期的な順番と役割について可視化されており,今年度もそれに沿った体制で進めることができた.本ブロックは広域であり,各会員校の移動距離が長く交通上の不便もあるが,各地区の委員と会員校間で連絡・協力しながら,活動方針に沿った意義ある活動を継続することが重要である.
担当:工藤禎子(北海道医療大学)
喜多歳子(札幌市立大学)
羽原美奈子(旭川大学)
大友美恵(東北文化学園大学)
戸沼由紀(弘前医療福祉大学)