1977年にアメリカ合衆国インディアナ州の1集団から採集され, 系統維持されてきたセイヨウヒルガオの5生物型及びこれらを総当たり交配した結果得られた雑種第1代の葉の外部形態における変異を調査した.また, 1991年5月から9月にかけて上記の集団において葉の外部形態における変異を調査した.雑種第1代の葉身長と幅の比及び葉身基部の左右裂片葉の開出角度は両形質とも両親が示した変異の中に含まれた.現地調査の結果, 1977年に採集された5生物型とは異なる生物型が優占していることが明らかとなった.本種は基本的に自家不和合の他殖性植物であるため, 異なった生物型間の自然交配によって遺伝子型の異なる個体を作出し, その中の適応度の高い個体が現存していると推定された.