保全生態学研究
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滋賀県における航空実播工による牧草播種がおこなわれた山火事跡地(二次林焼失地)の植生
澤田 佳宏窪田 圭多八代 裕一郎西脇 愛津田 智
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2008 年 13 巻 1 号 p. 29-36

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抄録

山火事跡地に航空実播工による牧草播種がおこなわれた場所に成立する植生の種組成を明らかにすることを目的として、山火事による二次林焼失地において、山火事から5ヶ月後(航空実播工施工前)と航空実播工施工から3年4ヶ月後の植生を調べた。山火事から5ヶ月後には、主に焼損木からの萌芽と、一部が種子の発芽によって、植被率1〜17%の植生が成立していた。この植生は、主に「二次林の種」や「林縁・伐採地の種」から構成されていた。航空実播工施工から3年4ヵ月後には、植栽由来の種、とくにシナダレスズメガヤが優占する植被率80%〜95%の植生が成立していた。山火事跡地に航空実播工が施工された場所では、牧草1種が優占する群落が成立し、この牧草群落は航空実播工の施工後数年間にわたって持続するものと考えられた。

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© 2008 一般社団法人 日本生態学会

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