抄録
アサザの生育環境、開花に関する形質、逸出に関する情報について、現地調査、栽培観察、標本調査、聞き取り調査、文献調査を行った。また、遺伝的多様性についてマイクロサテライト多型を用いた再検討を行った。遺伝的多型については、波形ピークの読み取りが困難な遺伝子座が多くて十分な成果を得ることができなかったが、猪苗代湖と琵琶湖において多型が検出された。また、非開花個体群は広範囲に散在して分布し、遺伝的な多型を有することが明らかになった。生育環境の情報について整理した結果、琵琶湖においてはおもに周辺の内湖や接続水路および河川から記録されていることが明らかになった。逸出については、その疑いのある個体群が各地に存在することが明らかになった。