北海道心理学研究
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研究論文
妊娠期における母親から子どもへのボンディングの関連要因
中野 まみ深谷 麻未崎山 美穂諸岡 由依高橋 雄一郎服部 律子金子 一史
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ジャーナル オープンアクセス

2020 年 42 巻 p. 1-8

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抄録

ボンディングとは母親が子どもに対して感じる情緒的絆であり,妊娠中からも生じると考えられる。また,妊娠中のボンディングは産後のボンディングにも影響を与えると考えられている。しかし,妊娠中の胎児へのボンディングに関連する要因については,十分に検討されていない。そこで妊娠中のボンディングに関連する要因を検討するため,質問紙調査を行い,143 名の母親(平均年齢33.9 歳,平均在胎週数18.9 週)が回答した。 重回帰分析を行った所,母親のうつ傾向(β = 0.20, p < .01)と夫婦関係満足度(β = -0.18, p < .05)が妊娠中のボンディングに関連している事が明らかになった。この結果から,うつ傾向が高い方や夫婦満足度が低い母親に向けて,妊娠中の介入が必要であると考えられる。

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2020 北海道心理学会
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