ホソカワ粉体工学振興財団年報
Online ISSN : 2189-4663
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平成25年度 研究助成成果報告
超分子化学を利用した超音波応答型微粒子の創製
井澤 浩則
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研究報告書・技術報告書 オープンアクセス

2015 年 23 巻 p. 33-37

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抄録

超音波応答DDS型への応用を指向してCDを高分子ネットワーク内に含むゲル微粒子を創製し超音波に対する応答性を評価した.ナノ粒子形成が期待できる低分子量のキトサン(16 kDa)を三置換のカルボキシメチル化β-CD(β-CD架橋剤)で架橋することで,β-CDを高分子ネットワーク内に含むナノ粒子(β-CD架橋型キトサンナノ粒子)が得られた.β-CDをグラフト化しただけのCD複合化キトサンとトリポリリン酸の複合化によって比較サンプルも調製した.ローダミン6Gをモデル薬物に用いて超音波応答性を評価した結果,超音波照射を行わないブランクでは,1.5時間後にモデル薬物の放出が終了するのに対して,超音波照射を行うと,約4倍の遅延放出効果を示すことが分かった.一方で,CDをグラフト化しただけの比較サンプルでは,遅延放出効果は確認されなかった.これらの結果から,CDを分子内に含む高分子ネットワークに超音波照射を行うと,錯体がより安定化すること示唆された.

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