2015 年 23 巻 p. 153-157
本研究では,廃棄ホタテ貝殻の有効利用を目的として,申請者らの提案する乾式粉砕したホタテ貝殻粉砕物に,水を添加して乾燥することでナノ粒子を得る“ナノ粉砕法”を用いて,北海道だけでも年間20万トン以上排出されているホタテ貝殻を合板用接着剤のフィラーとして活用した.合板から放散されるホルムアルデヒドは,貝殻ナノ粒子を充填しないときと比較して大幅に抑制できた.ホタテ貝殻粒子の比表面積が,合板から放散されるホルムアルデヒド量に及ぼす影響を検討した結果,ホルムアルデヒド放散量を小さく抑えるえるためには,比表面積の大きな貝殻粒子を用いた方が望ましいことがわかった.