2015 年 23 巻 p. 180-191
粒子周りの渦構造,粒子表面の圧力や摩擦力の分布から,球形粒子と不規則な形状を持つ石炭粒子,または石炭粒子と表面積や体積,球形度が等価な楕円体の一様流中の運動の比較を通じて,非球形粒子の運動特性を明らかにすることを目的に,単一粒子の6自由度計算が可能なArbitrary Lagrangian-Eulerian(ALE)法による直接数値計算(DNS)を実施した.また,湧き出しが種々粒子の運動特性に与える影響についても検討を行った.その結果,粒子に湧き出しがない場合,初期角度をもつ楕円体粒子は,安定な状態に達することはなく,Reの変化に伴いCDは振動し,その振動の確率密度関数はsine関数のそれと似た特性をもつこと,粒子に湧き出しがある場合は,湧き出しがない場合に比較して,球および楕円体粒子に作用する摩擦力が大きく減少しCDは小さくなり,初期角度をもつ楕円体粒子のCDが回転・振動する特性は,湧き出しがない場合と同様の確率密度関数で表現することが可能であることがわかった.