2016 年 24 巻 p. 49-55
高濃度マイクロ粒子スラリーに対してナノ粒子を微量添加したときのレオロジー変化について研究した.マイクロシリカ粒子が凝集している場合,その凝集構造がレオロジーを支配し,ナノ粒子添加効果は見られない.これに対して,高分散マイクロシリカ粒子スラリーに対してアルミナナノ粒子を添加すると,マイクロ粒子間隙部をナノ粒子凝集体が閉塞し,スラリーはゲル化した.この現象は粒子濃度が高いほど顕著に見られ,50 vol%では僅か0.01 vol%のナノ粒子によってゲル化することを明らかにした.これに対して,シリカナノ粒子はマイクロシリカ粒子表面に吸着するので粘度増大効果は見られないが,高せん断域でナノ粒子が離脱しクラスターを形成すると,一時的に粘度が急増する断続的シアシックニング挙動を発現することを見出した.