2016 年 24 巻 p. 79-84
電気集塵装置は,圧力損失が低く,スケールアップが容易であり,集塵性能が高いことから,小容量から大容量までの集塵技術として広く利用されている.近年,大気中PM2.5等の微小粒子の環境影響が注目される中,電気集塵装置の微小粒子除去性能の向上が求められている.電気集塵装置の集塵特性は,捕集粒子の粒子径や電気抵抗率などの電気的特性等の影響を受ける.そこで本研究では,微粉炭火力用の電気集塵装置を対象に,その微小粒子の除去特性を把握すると共に,気流制御の観点から微小粒子の集塵効率向上策の検討を行った.その結果,整流板の設置や最適な荷電条件の選定等によって,電気集塵装置内部の気流の乱れを抑制することで微小粒子の集塵性能を効果的に向上できることを明らかにした.