ホソカワ粉体工学振興財団年報
Online ISSN : 2189-4663
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平成28年度 研究助成成果報告
ナノクリスタルを基盤とした機能性吸入粉末剤の創製
奥田 知将
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2018 年 26 巻 p. 53-59

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抄録

本研究では,難水溶性抗癌剤であるパクリタキセル(PTX)にポリエチレングリコール誘導体を添加することで調製した徐放性・滞留性を発揮する機能性ナノ結晶(nPTX)を吸入剤として医療応用すべく,噴霧急速凍結乾燥(SFD)法による粉末製剤化を試み,その有用性について検証した.賦形剤としてロイシン(Leu)を用いることで,粉末製剤化後もnPTXの粒子物性・PTXの徐放性・抗癌活性が十分に保持されるとともに,優れた肺送達性を発揮するnPTX SFD微粒子の開発に成功した.このnPTX SFD微粒子は,従来のPTX製剤であるTaxolと比較して,肺内投与後にPTXをより長時間に渡り肺内に滞留するとともに,肺組織障害性がより軽微であることを明らかにした.また,nPTX SFD微粒子の肺内投与後に再構築したnPTXが速やかに肺組織へ移行することを見出した.肺転移癌モデルマウスを用いた治療評価において,nPTX SFD微粒子の肺内投与による癌治療効果の可能性が示唆された.

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