2018 年 26 巻 p. 100-104
これまでに微小粒子状物質を検知するための手法として,微細なフィルターを有する集塵装置や放射線計測に基づく装置が開発され,現在運用されている.実験室レベルでは電子顕微鏡による直接観察や光散乱による粒径の計測等が行われている.一方,これらの手法では大型の装置を用いることや,測定のための試料の前処理など,専門的な技術が必要とされる.これらの状況から,混ぜるだけで測定が可能な蛍光化学センサーの開発に着手した.特に本研究では,上述のように直接的に水質汚染の原因となることで近年注目を集めている微粒子状物質を混ぜるだけで検出が可能な蛍光センサーの開発に取り組んだ.具体的には,有機色素とPOSSをネットワーク化させた発光性有機-無機ハイブリッドゲルを合成し,水中で微粒子状物質が存在する場合の発光特性変化を調べた.