2020 年 28 巻 p. 88-92
本研究では,我々が脂質ナノ粒子の粒径の精密制御を目的として開発したマイクロ流体デバイスである「iLiNP®デバイス」を用いて,Poly lactic-co-glycolicacid(PLGA)ナノ粒子の粒径の精密制御に取り組んだ.iLiNPデバイスを用いることで,原料溶液の流量依存的に約30~120nmの範囲でPLGAナノ粒子の粒径を制御することが可能であった.また,ナノ粒子の血中滞留性を向上させるために不可欠なPEG化PLGAを用いたナノ粒子や抗がん剤であるパクリタキセル(PTX)を搭載したPLGAナノ粒子作製への応用を検証した.その結果,作製したPLGAナノ粒子の粒径やPTXの搭載率が,細胞やマウスでの粒子活性の評価試験に使用できる性能であることを示した.