2020 年 28 巻 p. 118-123
硫化水素ガス雰囲気におけるメカノケミカル処理を用いて硫黄担持吸着炭の創製を試みた.竹を窒素雰囲気下の400°Cで熱分解することで竹炭化物を作成し,遊星ボールミルを用いて10%の硫化水素ガス雰囲気下でメカノケミカル処理を施した.その結果,硫化水素ガス雰囲気下でのメカノケミカル処理により,熱分解していない竹からはニッケル吸着能をもつ硫黄担持吸着材が得られなかったが,熱分解した竹炭化物からは高いニッケル除去能をもつ硫黄担持吸着炭が得られた.得られた硫黄担持吸着炭のニッケル吸着等温線はフロイントリッヒモデルよりもラングミュアモデルに従い,計算された最大吸着量は0.186mmol/gであった.