2024 年 31 巻 p. 27-33
本研究では,フェイスマスク微細構造内におけるサブミクロンサイズの粒子挙動を明らかにするために,実際のフェイスマスクのX線CT画像を連携した数値シミュレーションモデルを開発した.微細構造内部に大きな細孔が存在すると,当該部近傍で流線が湾曲し,その流れに同伴する粒子が細孔表面で捕集されやすくなることがわかった.細孔の存在は,圧力損失と捕集率の低下をもたらすものの,上記の効果により捕集率の低下が抑制されるため,フェイスマスクの性能(quality factor)を向上させることがわかった.