2024 年 31 巻 p. 212-216
微粒子の多孔質構造化は,環境触媒の開発においても重要である.本研究では,マクロポーラス構造を持つ三元触媒(ポーラスTWC)粒子の合成を検討した.ポーラスTWC粒子は,TWCナノ粒子と造孔材粒子を噴霧乾燥することで合成した.ポーラスTWC粒子と造孔材を用いずに合成したTWC凝集体粒子のCO酸化性能を評価した結果,ポーラスTWC粒子はTWC凝集体粒子の構造と比較して,COの酸化効率が50%向上した.これは,微粒子内に連通孔を有した多孔質構造により,粒子内部の対流拡散が促進されたためだと考えられる.この研究成果は,環境触媒の機能向上のための重要な知見となると考えている.