10 巻 (2011) 2 号 p. 203-207
シネンシス系ハイブリッドスターチス(Limonium sinense hybrid)における開花や切り花品質に対する遮光(弱光)処理の有効性を確認するとともに,その処理時期について検討した.処理時期の検討については,人工気象室におけるポット試験で定植時期別に個体を標準区(光合成有効光量子束密度(PPFD)359 μmol・m−2・s−1)から弱光区(163 μmol・m−2・s−1)へ移動して4週間栽培する弱光処理を行った.その結果,弱光処理開始時期が抽苔前16日に相当する定植後21日区,および抽苔前6日に相当する定植後28日区では切り花長が長く,抽苔~採花までの日数が長かった.花茎が伸長する期間に光強度が弱くなることで開花が遅延し,その間に花茎が伸長して切り花長が伸びたと考えられる.次に,圃場段階における遮光処理の有効性を確認した.遮光率50%の資材を用いた遮光処理を抽苔前2日に相当する定植後32日,および抽苔前5日に相当する定植後30日から4週間行うことで,抽苔~到花までの日数が長くなり,切り花長が長くなる傾向がみられた.以上の結果から,遮光処理はシネンシス系ハイブリッドスターチスの秋期の切り花品質を向上させるための有効な手段の1つであり,遮光開始時期は抽苔前5~15日が適当であると考えられる.