2012 年 11 巻 3 号 p. 393-398
青枯病菌の非病原性株(PC株)を罹病性ナスに接種すると,青枯病の発病が抑制される.本研究では,防除効果の高いPC株の選抜のために,簡易検定法を検定植物の生育ステージに着目して検討した.種子および1葉齢の幼苗にPC株を接種し,その後3~4葉齢に育苗した罹病性ナスの青枯病発病抑制効果を検討した結果,1葉齢接種区のみ防除効果が認められた.より簡易的な検定法として,PC株を接種した1葉齢の幼苗を病原性株汚染土壌に移植する方法においても,防除効果が認められた.この簡易接種法を用いて,青枯病菌10系統より得られたPC株が青枯病防除効果に及ぼす影響を調査した.その結果,防除効果の高いPC株を4菌株選抜した.