高温期に育苗する暖地の晩秋~早春出荷作型において吸水種子湿潤低温処理によるトルコギキョウの切り花生産を可能にするため,ロゼット性の異なる品種への吸水種子湿潤低温処理の効果を再検証するとともに,処理後の育苗中の昼夜温が生育に及ぼす影響を調査した.吸水種子湿潤低温処理は,品種固有のロゼット性に関わらず抽苔率,発蕾率および開花率を高めた.また,吸水種子湿潤低温処理終了後の育苗夜温が28°Cおよび31°Cの場合,ロゼット性に関わらず抽苔率および開花率が低下したが,22°Cおよび25°Cでは抽苔率,発蕾率および開花率が高く,育苗夜温が低いほど,生育が促進されるとともに切り花長が大きくなった.さらに,育苗昼温が30°Cおよび40°Cでは,抽苔率,発蕾率および開花率に影響しないが,育苗昼温が低いほど生育が促進された.