園芸学研究
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栽培管理・作型
タマネギ(Allium cepa L.)種子のリン酸溶液への浸漬ならびに過リン酸石灰との接触が発芽・出芽に及ぼす影響
臼木 一英室 崇人
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キーワード: 発根, 局所施肥, 濃度障害
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2017 年 16 巻 2 号 p. 163-167

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抄録

局所施肥した場合の土壌溶液中のリン酸濃度は,発芽障害が懸念される濃度を超える可能性があることから,タマネギ種子のリン酸溶液への浸漬が発芽,出芽および生育に及ぼす影響を検討した.さらに,施肥した過リン酸石灰がタマネギの出芽に及ぼす影響を調査した.その結果,タマネギの発芽時に,肥料から溶出するリン酸溶液の吸収が発芽や発根に及ぼす影響は,発芽直後に限られることが明らかになった.このため局所施肥した場合において施肥した過リン酸石灰と種子が接触しても,タマネギの出芽に及ぼす影響は時間の経過に伴って小さくなり,リン酸成分量で10 a当たり5から20 kgの過リン酸石灰を局所施肥した場合の播種後10日目における出芽率に及ぼす影響は認められないと判断された.

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