園芸学研究
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新技術
キウイフルーツ ‘レインボーレッド’ における人工受粉時の花粉量削減を目的とした受粉方法,摘蕾程度,花粉の希釈倍率の検討
村上 覚山口 和希
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2017 年 16 巻 3 号 p. 333-338

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抄録

本研究では,‘レインボーレッド’において受粉時の花粉量を削減することを目的とし,受粉方法,摘蕾程度および花粉の希釈倍率について検討した.その結果,受粉方法では充電式花粉交配器の利用が使用花粉量と作業時間が少なく,有効な受粉方法であると考えられた.摘蕾では受粉時の花数が結果枝当たり2~3花であれば,奇形果の発生や収穫量に影響することなく花粉量を削減することが期待できた.粉末受粉区の花粉希釈倍率は,10~20倍までは結実率,果実品質,種子数に差はなかったため,20倍まで希釈できる可能性が示唆された.以上の結果,使用花粉量は,慣行の200倍希釈溶液受粉区と比較して,充電式花粉交配器に切り替えること,受粉時の花数を結果枝当たり2~3花とすることで削減効果が見込まれた.また,粉末受粉における花粉の希釈倍率は10~20倍までは結実率,果実品質,種子数に差はなかった.今後は,これらの技術を組み合わせていくことで,花粉の使用量が少ない有効な受粉技術を形成していけると考えられた.

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© 2017 園芸学会
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