園芸学研究
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育種・遺伝資源
RAPD法によるトウガラシ属の類縁関係の解析および種の同定
小仁所 邦彦南 峰夫松島 憲一根本 和洋
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2005 年 4 巻 3 号 p. 259-264

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抄録

トウガラシ属4種 (C. annuum, C. frutescens, C. chinense, C. praetermissum) 87系統についてRAPD分析を行い, 種間および種内系統間の類縁関係を解析した. 13種類の10塩基プライマーにより再現性の高い99本の多型バンドを得ることができた. これらのバンドデータを用いてC. praetermissumを外群としてクラスター分析を行った. 4系統を除きC. annuum, C. frutescens, C. chinenseの3種は3つのクラスターに分離した. C. frutescensにおいてはアジアの系統とアフリカ・新大陸の系統のサブクラスターが分離し, 地域間変異が観察された. また, アジアには複数の遺伝的に異なる系統群が存在していることが示された. 種特異的なバンドを検索し, 3種に特異的なバンドを明らかにした. 種の分類と種特異的なバンドの有無が一致しなかった系統は, 形態的に特異性を示すとともに, 異なる種の種特異的バンドを併せ持っていたことから, 3種間の遺伝子移入が生じている可能性が推測された.

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