抄録
額咲き型品種における装飾花の着生の仕組みを解明するために, アジサイ (Hydrangea macrophylla) ‘純白ガクアジサイ’およびヤマアジサイ (H. serrata) ‘紅’を用いて, 額咲き型花房における花序構造と装飾花の着生との関係を調査した. 額咲き型花房の装飾花の着生数に影響を及ぼす花序構造の変化には2つの型が認められた. 1つ目の型では, 1花序あたりの小花の着生数が多く, さらに花序軸の節間が伸長していた. そのような花序では第3, 4節位の2次花序にも装飾花が着生した. 花序構造の変化の2つ目の型では, 第1, 2節位の2次花序に着生する3次花序において, 側生花序の着生パターンに変化がみられた. そのような花序では装飾花の着生が不安定となった.